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序分 [『阿弥陀経』精読(その1)]

            第1回 これより西方に

(1)序分

 みなさん、こんにちは。これから『阿弥陀経』を読みたいと思います。浄土三部経のなかのもっとも短い経典で、法事などでよく読誦されます。まずはその経名と訳者名から。

 仏説阿弥陀経 姚秦三蔵法師鳩摩羅什奉詔訳(姚秦の三蔵法師、鳩摩羅什、詔をうけたまはりて訳す)

 姚秦(ようしん)といいますのは五胡十六国時代の国のひとつ後秦(384年‐417年)のことで、王室が姚氏であることから、こう呼ばれます。その都である長安に西域のオアシス国家・亀茲国(きじこく、クチャ)からやってきた鳩摩羅什(くまらじゅう、クマラジーヴァ)がこれを訳しました。鳩摩羅什はあまりに有名な訳経僧で、『阿弥陀経』の他、『大品般若経』『小品般若経』『法華経』『維摩経』、そして龍樹の『中論』『大智度論』『十住毘婆沙論』など多くの経論を漢訳した人です。
 『阿弥陀経』についての細かい説明は後にまわし、さっそく序分を読んでまいりましょう。

 かくのごとく、われ聞きたてまつりき。ひと時、仏、舎衛国(しゃえこく、コーサラ国の都・舎衛城)の祇樹給孤独園(ぎじゅきつこどくおん、いわゆる祇園精舎)にましまして、大比丘の衆、千二百五十人と倶(とも)なりき。みなこれ大阿羅漢なり。衆に知識せらる(世に知られている)。長老舎利弗(しゃりほつ)・摩訶目犍連(まかもくけんれん)・摩訶迦葉(まかかしょう)・摩訶迦旃延(まかかせんえん)・摩訶倶絺羅(まかくちら)・離婆多(りはた)・周利槃陀伽(しゅりはんだが)・難陀(なんだ)・阿難陀(あなんだ)・羅睺羅(らごら)・憍梵波提(きょうぼんはだい)・賓頭盧頗羅堕(びんずるはらだ)・迦留陀夷(かるだい)・摩訶劫賓那(まかこうひんな)・薄拘羅(はくら)・阿ヌ楼駄(あぬるだ)、かくのごときらのもろもろの大弟子、ならびにもろもろの菩薩摩訶薩(まかさつ、菩薩と同じ)、文珠師利法王子(もんじゅしりほうおうじ)・阿逸多菩薩(あいつたぼさつ、弥勒)・乾陀訶提菩薩(けんだかだいぼさつ)・常精進菩薩、かくのごときらのもろもろの大菩薩、および釈提桓因(しゃくだいかんいん、帝釈天)等の無量の諸天大衆と倶なりき。

 『阿弥陀経』は『小経』と言われますように、コンパクトな経典ですが、序分もこれだけで、このあと正宗分に入っていきます。

タグ:親鸞を読む
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