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矛盾について(その18) ブログトップ

8月14日(土) [矛盾について(その18)]

 話し合いとは、それぞれの具体的なケースにおける正しさの基準を作り出す作業であると言えそうですが、それはどんなふうに行われるのでしょう。
 ぼくが妻にこう提案したとします、「今日は天気がいいから海辺までドライブして、うまい魚でも食べようか」と。それに妻はこう応えました、「それもいいけど、近くに安くておいしいと評判のレストランがあるから、そこにしましょうよ」と。二人の意思がぶつかったわけです。まあたかが昼めしをどうするかということですから、どちらかが相手に合わせれば済むことですが、二人とも自分のアイデアに拘りますと、ここに意思表示の矛盾が姿を現すことになります。
 さていかがあいなるか。
 「妻は夫に従いつ」というご時世でもありませんし、悲しいかな夫の権威で妻に言うことを聞かせるだけの力もありませんから、お互い自らの正当性を精一杯言い合うことになります。ぼくの言い分としましては、今日はいい天気でドライブ日和だということ、たまには多少奮発してうまい魚を食べたいこと、うまい魚を食べるには海辺に行くのが良策であることなどがあります。妻としては、ガソリンが上がっていることもあり、昼ごはんのために遠くまで行くことはないこと、幸い近場にいいレストランがあること、そこは安くておいしかったと友達が言っていたことなどを主張します。
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