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矛盾について(その21) ブログトップ

8月17日(火) [矛盾について(その21)]

 ちょっと横道にそれるかもしれませんが、前から気になっていた映画『ザ・コーブ』を今日観てきましたので、その感想を述べます。
 以前同じようなことを感じたなあと思い出したのは、あるテレビの映像を観たときのことでした。南アフリカのナミビア海岸にはオットセイの巨大なハーレムがあり、オットセイの子どもを狙ってジャッカルたちが周りをウロウロしているのです。それを見物していた若い白人女性たちの間に突然悲鳴が上がります。ジャッカルが隙を狙って一頭の子どもオットセイをゲットしたのです。
 ぼくはそれを見ながら何とも複雑な思いでした。と言いますのも、その前の晩キャンプした旅行者の一団は、豪勢にも一匹の子豚を丸焼きにして食べていたのです。串刺しにされた子豚が火の上でグルグルあぶられ、美味しそうにこんがり焼かれます。もちろんあの白人女性たちも舌鼓を打ちながらそのご馳走を楽しんでいました。
 自分は子豚の丸焼きを美味しそうに食べながら、ジャッカルがオットセイの子どもを捕まえて食べようとすると悲鳴を上げ、何とかわいそうなと言う。
 彼女たちは子豚を丸焼きにして食べることに何のこだわりももっていません。子豚は人間たちに食べられるためにこの世に生まれてきたのだと割り切っています。しかし、同じようにジャッカルもオットセイの子どもを食べることに何のこだわりもありません。ジャッカルはむさぼり、彼女たちもむさぼる。それは自然の摂理であり、そういうものなのです。
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