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10月7日(木) [矛盾について(その71)]

 「これはうまい」は、他のみんなだって「これはうまい」と感じるに違いないと言っているのであって、ぼくだけが「これはうまい」と感じると言っているのではありません。
 同じように、煩悩に悩まされていると感じるのは他ならぬ「わたし」ですが、「わたし」だけでなく「われら」も煩悩に悩まされているに違いないと感じるのです。それが越権行為であるとしても、「感情の表出」はそうしたものだと言うしかありません。
 それは「事実の記述」における誤った一般化とは全く別のことです。「事実の記述」における誤った一般化は反則として退けなければなりませんが、「感情の表出」に付随する一般化に対しては、それに異議がある場合は堂々と反論すればいいのです。「われらは菩提の境地にいる」と。この場合も「わたし」が菩提の境地にいるだけでなく、「われら」も菩提の境地にいるのです。
 ちょっとゴタゴタした議論に時間を取られましたが、「われらは煩悩に悩まされている」という文は「事実の記述」ではなく「感情の表出」だということを述べてきました。
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