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10月20日(水) [矛盾について(その84)]

 「あいつならいいのか」という声とは何でしょう。
 それは「みんなにひとしく生きる場所がある」という声に他なりません。「みんなにひとしく生きる場所があるのに、あいつにはなくていいのか」と言っているのです。「オレの生きる場所がなくなるなんて理不尽じゃないか」と嘆いているとき、「じゃあ、あいつの生きる場所がなくなるのは理不尽じゃないのか」という声が聞こえてくる。
 ドキッとしながらも、「いや、そんなことを言っているんじゃない、ただオレの生きる場所がなくなるのが理不尽だと言っているだけだ」と言い訳するに違いありません。しかしこの抵抗も所詮無力です。「“あいつの”生きる場所がなくなるのも理不尽だと言うなら、どうして“オレの、オレの”と言うんだ、“みんなの”と言えばいいじゃないか」と追い込まれて、もう降参するしかありません。
 「なんでオレが」は、突きつめれば「あいつならいい」を含んでいることを認めざるをえないのです。
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