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12月12日(日) [矛盾について(その136)]

 生まれてこの方洞窟の中で生きてきた人は、ここが洞窟の中だということを知ることができず、外部から気づかせてもらうしかありませんが、それは外部から声が聞こえてくるということです。
 どこまで行ってもあくまで内部で、外部にたどり着くことはできないというのは、内部から外部に出ようとしているからです。内部から外部を捉えようとしているからです。外部を捉えたと思った瞬間、それはもう外部ではなく内部になっているのです。これまで天体望遠鏡では見えなかったはるかかなたの宇宙が、より優れた望遠鏡が開発され見えるようになったとしますと、それは外部を捉えることができたということですが、それはこれまでの外部が内部になったということに過ぎません。
 いま「見る」ことについて言いましたが「聞く」ことも全く同じです。内部から外部を捉えようとすることでは、光を「見る」のも音を「聞く」のも変わりありません。宇宙を知る上で大きな役割を果たしている電波望遠鏡は、ある意味では宇宙からの音を捉えようとしているのです。これまでは聞けなかった音を聞くことができたら、外部を捉えることができたということですが、それはこれまでの外部が内部になっただけのことで、内部からの音を聞いていることに変わりありません。いずれにしても外部に出ることはかないません。
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