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12月23日(木) [矛盾について(その147)]

 道元の『正法眼蔵』にこんな話が紹介されています。
 あるとき白楽天が道林禅師に「仏法の大意とはどういうものでしょう」と問いますと、道林は「諸悪莫作 衆善奉行(悪をなさないよう、善をなすよう)」と答えたそうです。白楽天は「そんなことなら、三つの子どもでも言うでしょう」と言いますと、道林禅師は「たとえ三つの子どもが言えても、八十の老人も行うのはむつかしい」と答えたと言います。
 まことにごもっともです。悪をしないで善をなすことほど難しいことはありません。善をしたいと思っているのに、ふと気がついたら悪に手を染めており、悪しかできないかと思っていたら、思わず善をしているのがぼくらです。
 では全く何ともならないのかと言いますと、そうでもないでしょう。できるだけ悪から遠ざかり、できるだけ善に近づくための工夫はありそうです。つい悪に手を染めるのは煩悩の虫どもの仕業ですから、煩悩の虫どもにできるだけ大人しくしていてもらえばいいのです。煩悩の虫どもは何か刺激を受けるとゴソゴソとうごめき始めるのですから、なるべく刺激しないようにすればいいのです。
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