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12月25日(土) [矛盾について(その149)]

 「尖閣なんて縁もゆかりもない人たちがどうして?」という疑問は日本人に向けられているだけでなく、中国人にも向けられています。中国の内陸部の学生たちが反日デモをして、日本の国旗を焼き、日本料理店に投石をするのはどうしてでしょう。日本人であるというだけで、あるいは中国人であるというだけで、どうしてそんなにカリカリするのか。これには「日本人(中国人)だから日本(中国)の主権を大事にするのは当たり前じゃないか。それが脅かされているのをどうして黙って見ていられるのか」という反論が返ってくることでしょう。
 ことはナショナリズムの問題です。
 日本の主権が大事ではないなどとは思いません。日本の主権が勝手に侵犯されるのを黙って見ていればいいとも思いません。ただ日本と自分をぴったり重ね合わせるような議論にはついていけないだけです。ぼくは確かに日本人です、そしてそのことに深い愛着を感じます(イチローが活躍していることに誇りを覚えますし、日本人がノーベル賞をもらうと嬉しくなります)が、日本人であることはぼくの無数の属性のひとつに過ぎません。こう言ってもいい、ぼくはたまたま日本人であるに過ぎないと。ぼくの親がたまたま日本人であったことで、日本人として生まれただけです。ちょっとした偶然のいたずらで中国人に生まれていたかもしれない。こう考えることで、つまらないナショナリズムから自由に生きることができるのではないでしょうか。
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