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1月2日(日) [矛盾について(その157)]

 ぼくらは無数のものたちと繋がりあい、そのお蔭で生かされているのは間違いありませんが、しかし他力はそれと似ているようで、何か違う。
 何が違うのでしょう。
 縁起というのは相互的です。無数のものたちと繋がりあっているということは、無数のものたちに生かされているということですが、しかし同時に無数のものたちを生かしているのも事実です。一方的に支えられているのではなく、こちらも支えているのです。
 ひとの力に頼ることができるのは、こちらもひとの力になっているからだと言いました(154)が、同じように、無数のものたちに支えられるのは、こちらも無数のものたちを支えているからです。ただ支えられるだけで、支えることがないことは考えられません。
 むかし物理で「作用反作用の法則」というのを教わりました。一方が受ける力は他方が受ける力と向きは反対だが大きさは等しいということでした。一方が力を及ぼせば、他方も同じだけの力を及ぼすというのです。一方が与えるだけ、他方は受けるだけということはないのです。
 さて他力とは「純粋に与えられる」ことだとしますと、縁起とは似ているがやはり違うと言わなければなりません。
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