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1月8日(土) [矛盾について(その163)]

 「ぼくは愛知県にいる」くらいまでは「そこに自分の意思で身を置いている」と言えますが、「ぼくは日本にいる」となりますと、これをぼくの意思とは言いにくくなってきます。もちろんときには海外旅行をして外国に行きますから、「日本にいる」のもぼくの意思であると言えなくはありません。しかし「宇宙にいる」となりますと、これを「自分の意思でそこに身を置いている」と言うのはもう無理です。ましてや「この世にいる」は…。これを「する」の一種だと言うことは不可能です。
 ぼくらは気がついたらこの世に生を受けていたのです。
 いや、この世だってもう嫌だとなったらおさらばできるではないかという反論があるかもしれません。日本なんかもう嫌だとなったらオーストラリアでもどこでも移住できるように、この世に愛想が尽きたらあの世へ旅立てばいいのだと。なるほど気がついたらもうすでにこの世にいたのかもしれませんが、そこから自分の意思であの世に移動できるのでしたら「この世に自分の身を置いている」と言うこともできるでしょう。この世にいたいと思うからいるのであり、もういたくないと思えばいるのをやめればいい…。
 しかしほんとうにそうでしょうか。
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