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1月30日(日) [矛盾について(その185)]

 壱岐・対馬のツアー旅行で仲良くなった方から「畑で野菜を作っていて食べ切れないから送ってあげる」と約束され住所を交換しました。そして旅行から帰って何日かしますと、約束どおり段ボール箱一杯の野菜が送られてきました。
 さあこうなりますと「何かお返ししなくちゃ」と思います。相手の方にそんなふうに言えば、「余っているものをあげただけだから」と断られるに違いありませんが、だからと言って、もしこちらが貰って当然というような態度をとりますと気分を悪くされるに決まっています。やはり何らかのお礼が必要でしょう。
 これが普通の「与える」です。でもいま検討している「与える」は違います。「あちら」には与えているという意識なんか全くないのに、「こちら」は与えてもらっていると感じるのです。「あちら」に与えているという意識がありませんから、お返しをするわけにはいきません。そんなことをしたら「どうして」と訝しく思われるだけです。
 こうしてただ与えられるのです。そしてそれがこころに染みます。こころに染みて、じわりと生きる力になるのです。
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