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2月28日(月) [矛盾について(その214)]

 ぼくは生徒に対して自分を「ぼく」と呼び、生徒を「きみ」と呼びます。自分を「わたし」と呼ぶのは照れくさいし、生徒を「あなた」と呼ぶのはもっと抵抗があります。やはり「ぼくーきみ」で、時には「おれーおまえ」のこともあります。では生徒はと言いますと、自分を「ぼく」、女子の場合は「わたし」と呼び、ぼくには「先生」。先生がたくさんいるときは「○○先生」と呼びます。「あなた」と呼ばないことは前に言った通りです。いずれにしてもぼくと生徒との間で「あなた」の出番はありません。では「ぼくーきみ」と「わたしーあなた」とは、どう違うのでしょうか。「きみ」と「あなた」は同じ二人称代名詞なのに何が違うのでしょう。
 対称性の問題です。
 「ぼく」と「きみ」には対称性があります。教師としての「ぼく」は生徒としての「きみ」の立場に立つことができます。「ぼく」は「きみ」がいまどんなことで躓いているかを推測できますから、適切なアドバイスを与えることもできるのです。生徒としての「きみ」が教師としての「ぼく」の立場に立つのはそれほど易しくはないかもしれませんが、自分が教師ならこうして上げるのにと不満を持つことはあるでしょう。これは、夫としての「ぼく」と妻としての「きみ」の場合にも、部長としての「ぼく」と平社員の「きみ」の場合にも言えます。「ぼく」が「きみ」の立場に、「きみ」が「ぼく」の立場に立ってものごとを見ることができるのです。
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