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3月27日(日) [矛盾について(その237)]

 「いずれいなくなる」のが怖いのは、「いまいる」のが不安だからと言いました。どういうことでしょう。
 ぼくの妻は明日のことなんかちっとも気にならないと言いながら、ずっと先のことを気に病んでいます。大病で寝たきりになったらどうなるだろうかとか、ぼくが先に死んだら自分ひとりで生きていけるだろうかとか。妻がそんなため息をつくときぼくは言います、「そのときはそのときだよ」と。楽天的でいいわねえと羨ましがられますが、ぼくは思うのです、今日が「これでよし」と思えたら、先に何が起こってもいいじゃないか。たとえ大病して寝たきりになったとしても、どうすればいいか、何ができるかをそのときに真剣に考えればいい。それを今からあれこれ考えてどうするんだと。
 「そうだとしても先のことが不安になるのは仕方がないよ」と妻は言います。「今のところは病気もなく、お金のことも心配はないけれど、これから先どうなるか分からないじゃない」と。しかしどうでしょう、先のことが不安になるのは、今何かが不足していると思うからではないでしょうか。「他の人たちは子どもがいるから老後のことはそれほど心配しなくてもいいかもしれないけれど、うちは…」となるのではないでしょうか。今不足していると思うから、先のことが不安になるのです。逆に今自足していれば、先の不安もなくなるのではないか。

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