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9月15日(木) [矛盾について(その408)]

 宗教は「があること」の幸せに関わります。
 としますと、宗教は間接的に「であること」の幸せに関わるということです。「があること」の幸せを通して「であること」の幸せに関わるのです。ところが直接「であること」の幸せに関わろうとするところに、現世利益の宗教のいかがわしさがあります。「この仏さまを信じなさい、そうすると病気になることはありませんし、災難にあうこともありません」となるものですから、それに対しては迷信だとはっきり言わなければなりません。でも忘れてならないのは、宗教は「であること」の幸せと決して無関係ではないということです。
 金子大栄氏はこんなふうに言います。「長生きするいちばんいい方法は、いつ死んでもいいということです。これがいちばんの長寿法です。『死ぬのはいやだ、死ぬのはいやだ』と思っていると、いくら生きてもまだたりない。まだたりないのですから、けっきょく命短しというわけです。いつ死んでもいいと思うと、『おお、今日も生きておった』ということになる。だから、けっきょく、自分の予定よりは長生きです。予定より長く生きたのだから長生きにちがいない。ですから、念仏を申せば長生きしますと、はっきりいえていいわけです」。
 長生きすることは「であること」の幸せです、現世利益です。念仏には現世利益があるということです。ただ、長生きするために念仏するのではありません。それでは厄払いの祈禱と同じになってしまいます。長生きを求めて念仏するのではないが、念仏をすると結果的に長生きができる、この間合いが大切なところです。

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