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矛盾について(その543) ブログトップ

1月28日(土) [矛盾について(その543)]

 家族の中でもそうですから、友人関係となりますと、そこはやはり「親しき中にも礼儀あり」です。家族には言えないことが友人には言えるということもありますから、また独特の親密さがあるのでしょうが、いくら本音の付き合いと言っても、それはオブラートで包まれたものであることを忘れてはなりません。
 そこで重要な役割をするのがネタです。ぼくらも友人関係の中でそれぞれ特徴的なネタをもっているのではないでしょうか。考えてみますと、彼が得意とした自虐ネタなんていうのも友人間の会話ではありふれたものです。そうしたネタをネタとして楽しめる仲間が友人でしょう。楽しめない人は自然にその場から離れていきます。そして残るのが広い意味の感性や価値観を共にする仲間です。彼はそういう仲間を掲示板の中に求めたのでしょう。
 彼がとりわけ「不細工ネタ」にこだわって書き続けたのは、「人間、見た目じゃない」という価値観を共にする人からのレス(応答)がほしかったからに違いありません。事件直前の書き込みにそれがはっきり出ています。「服、服、服、服、みんな服です。どうして服にこだわるのでしょう」。「中身、中身ときれいごとを言っているくせに、結局見た目で判断しているじゃないですか」。これはもうネタを通り越して彼の価値観をストレートにぶつけることになっていますが、彼がどんな仲間を求めているかがよく分かります。

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