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矛盾について(その568) ブログトップ

2月22日(水) [矛盾について(その568)]

 でも、実際のところ、怒りがあらゆる不幸の源であることはみんな分かっているのです。そう思うから怒りたくないのです。でもついつい怒ってしまう。
 だからみんなが知りたいのは、どうすれば怒らないでいられるかということです。でも著者は怒りたいから怒るのだと考えていますから、怒らないでいるためには怒りたいと思わなければいいということになります。では、どうすれば怒りたいと思わないでいられるのか。それについて書いているらしいところを探しますと、「エゴを捨てる」とあります。これは仏教徒としては基本的なことで、我執があるから怒りに駆られるのであり、怒らないためには我執を捨てればいいのです。しかし肝心なのはどのようにしたら我執から脱却できるかですが、残念ながらそれについては書かれてないようです。続編を読めということでしょうか。
 本題に戻りましょう。
 ぼくとしては、怒りたいわけではないのに、気がついたら怒ってしまっている、ここからスタートしなければならないと思います。怒りたいから、怒るのではなく、できれば怒りたくないと思っているのに、気がついたら怒ってしまっている。でも世の中には、怒ったり怒らなかったりするのはその人の気持ち次第だと考える人が多いようです。この本の著者が「あなたが怒るのは、怒りたいからです」というのはそういうことでしょう。怒りたいと思うから怒るのであり、したがって怒りたいと思わなければ怒らないですむのだと。


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