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いじめによる自殺 [生きる意味(その1)]

            はじめに
(1)いじめによる自殺
 このところ年間の自殺者数が3万人を切り、ひところより減少しているそうですが、それでもいじめを苦にした中高生の自殺は後を絶ちません。こうした現象は連鎖反応を起こしやすく、不用意に騒ぎ立てるマスコミの姿勢にも疑問を感じますが、それにしても若い人たちはどうしてこうも簡単に生きることに見切りをつけてしまうのでしょう。
 死を決意した若者たちは、口には出さなくても、「生きていたって仕方がないさ」「生きることに意味なんてないよ」と思っているに違いありません。そんな若者たちに語りかけることばがぼくの中にあるか。
 もう大分前になりますが、ぼくが高校教師をしていた時、ある女子高校生から
 「わたし二十歳をすぎてまで生きていたくないもん」
と言われたことがあります。授業中机の上に大きな鏡を立てて化粧をしているのを見かねて、「化粧は卒業してからにしなさい」と注意した時、彼女の口をついて出たことばです。彼女の全身から立ち上るどこか明るいニヒリズムに戸惑いを感じました。
 「生きていたってしょうがないじゃん」
その時ぼくは何も言えず、ただ立ち尽くすだけでした。
 彼女の口をついて出たことばによく耳を澄ませてみますと、その背後からこんな声が聞こえてきます。
 「ずっと生きていたいんだよ。だけど生きる意味が感じられないんだよ」
これにどう答えることができるでしょう。

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