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エコシステム [生きる意味(その65)]

(36)エコシステム
 ヒューマノイドロボットの人工頭脳が、相手の声色からその人の気持ちを推し量ることができるほど精巧に作られていても、ロボットに「おはよう」と言った人が、その反応からこのロボットには心があると感じてくれなければ、ただの木偶の坊です。
 そのロボットの内部構造をどれほど詳しく調べても、そこに心があることを証明することはできません。心はそれ自体としてあるのではなく、誰かにあると認めてもらうことによってはじめてあるのですから。
 生物学で「エコシステム」ということが言われ出したのはいつ頃からでしょうか。「エコシステム」とは、生物はすべて互いに支えあう形でひとつにつながりあっているということです。
 植物は根から養分を汲み取り、葉で太陽の光を受けて光合成をして成長していきます。その植物を草食動物が食べ、さらに草食動物を肉食動物が食べます。植物が枯れたり、動物が死んだりしますと、それを地中の微生物が分解してくれて、これがまた植物の栄養分になります。
 こんな具合に複雑につながりあって互いに互いを支えあっていることをエコシステムとよびますが、それまでの生物学は生物をエコシステムから引き離して、つまり死んだ状態で研究室の中で調べていたものですから、そうしたつながりが見えていなかったと言わなければなりません。

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