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「する」ことに関わる真理と「いる」ことに関わる真理 [生きる意味(その104)]

(8)「する」ことに関わる真理と「いる」ことに関わる真理
 で、釈迦やぼくが求めた真理は「いる」ことに関わる真理で、万有引力の法則など自然科学の真理は「する」ことに関わる真理、というように区別したいのです。
 後者の「する」ことに関わる真理は分かりやすいと思います。ぼくらは日々何をどう「する」かについてさまざまなことを考えている訳ですが、その時役立つ真理です。学問というのは、そのような真理を求めて営まれていると言えるでしょう。
 問題は「いる」ことに関わる真理です。これが何を指しているのか。
 「居心地」ということばがあります。「どうも居心地が悪い」などと言います。あるいは「居場所」という言い回しもあります。「どこにも居場所がない」などと言います。これらの「居」つまり「いる」こと、これに関係してくる真理ということです。
 ぼくらは日々「する」ことに忙殺されています。頭の中は何をどう「する」かで一杯です。しかし、それとは全く別の悩みがあります。それが、この世に「いる」こと自体が「どうも居心地が悪い」、この世の「どこにも居場所がない」という悩みです。
 釈迦はこの問題に悩み、すべてを捨てて出家したのではないでしょうか。彼には王子としての地位、莫大な財産、そして美しい妻と可愛い子供たちがいた…のでしょうか、本当はどうだったか分かりませんが、とにかくすべてに恵まれていたと書かれています。これらはこの世で幸せな生活を「する」上でかけがえのないものでしょう。それらをすべて投げ捨ててまで求めなければならないものがあった。それがこの「いる」ことに関わる真理です。

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