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本文24 [はじめての『尊号真像銘文』(その111)]

        第9回 涅槃の城には信をもつて能入となす

(1)本文24

比叡山延暦寺宝幢院黒谷源空聖人真像
 『選択本願念仏集』云「南無阿弥陀仏 往生之業 念仏為本」
 又曰「夫速欲離生死、二種勝法中、旦閣聖道門、選入浄土門。欲入浄土門、正雑二行中、旦抛諸雑行、選應帰正行。欲修於正行、正助二業中、猶傍於助業、選應専正定。正定之業者、即是称仏名。称名必得生、依仏本願故」
 又曰「当知生死之家以疑為所止、涅槃之城以信為能入」

比叡山延暦寺宝幢院(ほうどういん)黒谷源空聖人の真像
 『選択本願念仏集』にいはく、「南無阿弥陀仏 往生の業は念仏を本とす」
 またいはく、「それすみやかに生死を離れんと欲はば、二種の勝法のなかに、しばらく聖道門を閣(さしお)きて、選んで浄土門に入れ。浄土門に入らんと欲はば、正雑二行のなかに、しばらくもろもろの雑行を抛(なげう)ちて、選んで正行に帰すべし。正行を修せんと欲はば、正助二業のなかに、なほ助業を傍らにして、選んで正定をもつぱらにすべし。正定の業とはすなはちこれ仏の名を称するなり。称名はかならず生ずることを得。仏の本願によるがゆゑに」
 またいはく、「まさに知るべし、生死の家には疑をもつて所止となし、涅槃の城には信をもつて能入となす」

 『選択本願念仏集(せんじゃくほんがんねんぶつしゅう)』といふは、聖人の御製作なり。「南無阿弥陀仏往生之業念仏為本(なむあみだぶつおうじょうしごうねんぶついほん)」といふは、安養浄土の往生の正因は念仏を本とすと申す御ことなりとしるべし。正因といふは、浄土に生れて仏にかならず成るたねと申すなり。(以下、本文25につづく)

 『選択本願念仏集』とは、聖人のお書きになった本です。「南無阿弥陀仏 往生の業は念仏を本とす」とは、安養浄土へ往生するための正因は念仏を根本とするという意味です。正因とは、浄土に生まれて必ず仏になる種ということです。

タグ:親鸞を読む
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