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『阿弥陀経』精読(その14) ブログトップ

本文2 [『阿弥陀経』精読(その14)]

(5)本文2

 つづけて極楽国土の荘厳が讃歎されます。

 また舎利弗、かの仏国土には、つねに天の楽をなす。黄金を地とし、昼夜六時(晨朝・日中・日没・初夜・中夜・後夜)に天の曼陀羅華(まんだらけ)を雨(あめふ)らす。その国の衆生、つねに清旦(しょうたん、夜明け)をもつて、おのおの衣裓(えこく、華皿)をもつて、もろもろの妙華(みょうけ)を盛(い)れて、他方の十万億の仏を供養したてまつる。すなはち食時(じきじ)をもつて本国に還り到りて、飯食(ぼんじき)し経行(きょうぎょう、散歩)す。舎利弗、極楽国土には、かくのごときの功徳荘厳を成就せり。また次に舎利弗、かの国にはつねに種々奇妙なる雑色の鳥あり。白鵠(びゃくこう、白鳥)・孔雀・鸚鵡(おうむ)・舎利(黒色でことばを暗唱する)・迦陵頻伽(かりょうびんが、美しい声を出す)・共命の鳥(ぐみょうのとり、二つの頭をもつ)なり。このもろもろの鳥、昼夜六時に和雅(わげ)の音(こえ)を出(いだ)す。その音、五根・五力・七菩提分・八正道分、かくのごときらの法を演暢(えんちょう、広く説きのべる)す。その土の衆生、この音を聞きをはりて、みなことごとく仏を念じ、法を念じ、僧を念ず。舎利弗、なんぢこの鳥は実にこれ罪報の所生なりと謂(おも)ふことなかれ。ゆゑはいかん。かの仏国土には三悪趣(さんまくしゅ、地獄・餓鬼・畜生)なければなり。舎利弗、その仏国土にはなほ三悪趣の名すらなし。いかにいはんや実あらんや。このもろもろの鳥は、みなこれ阿弥陀仏、法音を宣流(せんる、述べひろめる)せしめんと欲(おぼ)して、変化(へんげ)してなしたまふところなり。舎利弗、かの仏国土には、微風(みふう)吹きて、もろもろの宝行樹および宝羅網を動かすに、微妙の音を出す。たとへば百千種の楽を同時にともになすがごとし。この音を聞くもの、みな自然に仏を念じ、法を念じ、僧を念ずるの心を生ず。舎利弗、その仏国土には、かくのごときの功徳荘厳を成就せり。

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