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7月29日(木) [矛盾について(その2)]

 ちょっと太郎と次郎の二人に話し合ってもらいましょう。
 「あることに対してきみが“イエス”と言い、ぼくが“ノー”と言ったとしようか。それは矛盾じゃないかな?」
 「いや、それは矛盾ではなく、単なる対立に過ぎないよ。矛盾というのは論理的にありえないことで、ぼくが、あることに対して“イエス”と言い、同時に“ノー”と言ったら、それは矛盾。だけど、ぼくが“イエス”と言い、きみが“ノー”と言っても、それは対立ではあっても矛盾ではない。」
 「ふむ。一人の中の対立は矛盾で、二人の間の対立は矛盾ではないと。でも、二人の場合も、その間に“イエス”と“ノー”が同時にあるということは矛盾じゃないのかな。どうしてそんなふうに一人 と二人とで区別するんだろう?」
 「どうしてって、二人は一人ひとりに分けられるが、一人ひとりはもうそれ以上分けられないからだよ。」
 「でも、分けられないはずのぼくの中に“イエス”と言い張るぼくと、“ノー”と言ってきかないぼくとがいるんだけど。」
 「もしきみがその二人のきみを統合できなければ、きみには精神の病があると見なされて治療の対象となる。」
 「おいおい、ぼくは正気だよ。正気のぼくの中に“イエス”のぼくと“ノー”のぼくが同居しているんだ。ある時は“イエス”のぼくが表に出るけど、だからといって“ノー”のぼくがいなくなった訳 じゃない。裏で出番を待っていて、チャンスがあれば表に現れるよ。」
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