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12月11日(土) [矛盾について(その135)]

 「みんな悪人」は「こちらから」知ろうとして得られるものではなく、「向こうから」与えられていることにふと気づくのだと言いました。生まれてこの方ずっと闇に閉ざされてきた人は、光というものを知りませんから、ここが闇であることも知らないと。光というものがあること、そしてここは闇の世界であることは、どう踏ん張っても「こちらから」知ることはできません、「向こうから」思いもかけず知らしめられるしかありません。
 「向こうから」とは「外部から」ということです。
 外部とは何かという問いはぼくらを眩惑させます。ぼくはいまわが家の内部にいます。そしてわが家は日本の内部に、そして日本は地球の内部です。さらに続けますと、地球は太陽系の内部で、太陽系は銀河系の内部、銀河系はこの宇宙の内部にあります。ではこの宇宙は…、さて困りました。この宇宙ももっと大きな世界の内部なのでしょうか。幼い頃この問いに小さな頭を悩ませたものです、宇宙には果てがあるのだろうかと。
 この宇宙には果てがあり、より大きな世界の内部だとしますと、より大きな世界もさらに大きな世界の内部なのでしょうか。こうしてどこまで行っても内部に留まり外部にたどり着くことはできません。ぼくらは永遠に外部に出ることはできないのです。ある世界の外部に出たと思った途端、そこはもうひとつ大きな世界の内部なのですから。それともこの宇宙にはそもそも果てがないのでしょうか。果てがないということがどういうことかよく理解できませんが、仮に果てがないとしますと、やはりどこまで行っても内部だということです。外部がないということです。
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