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偈文2 [正信偈と現代(その12)]

            第2回 本願と名号

(1)偈文2

 帰敬偈2句のあと本題に入り、まずは『無量寿経』をもとに本願と名号がどのようにして生まれてきたかが詠われます。それが次の8句です。

  法蔵菩薩因位時(ほうぞうぼさついんにじ)   法蔵菩薩、因位の時、
  在世自在王仏所(ざいせじざいおうぶっしょ)  世自在王仏のみもとに在りて、
  覩見諸仏浄土因(とけんしょぶつじょうどいん) 諸仏の浄土の因、
  国土人天之善悪(こくどにんでんしぜんまく)  国土・人天の善悪を覩見して、
  建立無上殊勝願(こんりゅうむじょうしゅしょうがん) 無上殊勝の願を建立し、
  超発希有大弘誓(ちょうほつけうだいぐぜい)  希有の大弘誓を超発せり。
  五劫思惟之摂受(ごこうしゆいししょうじゅ)  五劫、これを思惟して摂受す。
  重誓名声聞十方(じゅうせいみょうしょうもんじゅっぽう) 重ねて誓うらくは、
                        「名声、十方に聞こえん」と。
 
 (現代語訳) 法蔵菩薩が仏となって衆生を救おうと思われ、師である世自在王仏のお力を借りて、諸仏の国土のいわれやありさま、またそこに住む人たちの様子をご覧になり、それらにまさる仏国土を建立しようというこの上なく優れた願いを立て、世にも稀な大いなる誓いを起こされました。その誓願の内容を五劫という長い年月をかけて思案され、四十八の本願としてまとめられたのです。そして、重ねて誓われたのは「南無阿弥陀仏の名号が世界にあまねく聞こえますように」ということでした。

タグ:親鸞を読む
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