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10月4日(月) [矛盾について(その68)]

 世界中で多くの子どもたちが無惨に殺されています。それにはこころが痛みますが、所詮対岸の火事です。自分には関係のないことと思っています。ところがある日それが自分の身に降りかかってきた。そこで「なんで?」となるのです。「なんで、うちの子が?」と。よその子どもだったら、そりゃ悲しいに違いありませんが、どこかで「うちの子でなくてよかった」と思っています。憎い犯人を早く捕まえてくれと思いますが、それははっきり言えば、次に自分の子が殺されてはたまらないからです。
 いかがでしょう、「なんで、うちの子が?」は「オレが、オレが」という煩悩ではないでしょうか。
 念のために言っておきますが、それを煩悩だと感じるからといって、怒りがなくなるわけではありません。「なんで、オレの子が殺されなくてはならないんだ」という怒りは、折に触れ激しく燃え上がるに違いありません。そして「もうあの子はいなくなってしまった」という悲しみが消えることもありません。でも、そのとき同時に「これは煩悩だ」という声が聞こえているのです。そしてそれがぼくらのこころに微妙な作用を及ぼすのですが、それは後の課題です。
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