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矛盾について(その16) ブログトップ

8月12日(木) [矛盾について(その16)]

 事実の記述(命題)が対立しているときは、事実そのものに当たるべきです。事実に合致している方が正しい。では意思表明が矛盾するときはどうすればいいのか。事実に当たることはできません。関係ありそうな事実を探し出しても、そこから意思表明の正しさを導き出すことはできないからです。としますと相手との「話し合い」しかありません。
 事実の記述が対立しているとき、折り合をつけようと話し合うことは時間の無駄です。そんなことをする暇があったら、事実そのものと対話するべきです。しかし意思表明が矛盾するときこそ、相手と話し合うことだけが解決への道です。
 矛盾を解決するためには、矛盾する主張の一方を消せばいいのです。事実の記述の場合は、事実に当たって合致しない方を消せばよろしい。「邪馬台国は九州にあった」と「邪馬台国は近畿にあった」の間の矛盾を解決するためには、決定的な発見によってどちらかの説を消せばいいのです。
 「パレスティナはユダヤ人の土地である」と「パレスティナはアラブ人の土地である」との矛盾も、どちらかが自発的にその意思を取り下げてくれれば一挙に解決します。しかし実際はどちらもそれぞれの事情があって譲れないのですから、どちらか一方を勝手に消すことはできません。それをしようとしますと、「みんな、銃を取れ!」ということになります。
 そんな事態を避けるためには、当事者同士の話し合いしかありません。
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