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12月28日(火) [矛盾について(その152)]

 いつの間にかかなり遠くまで来ました。
 「煩悩即菩提(われらは煩悩に悩まされているが、そのままで菩提の境地にいる)」という大乗の矛盾に満ちたテーゼからスタートしました。この言明がナンセンスであるどころか、深い真理を湛えているとしますと、一体矛盾とは何だろうと考え始めたのです。
 そしてこの言明に含まれている矛盾について、いろいろな側面から考えてきました。「救われていないが、同時に救われている」、「悲しいが、同時に嬉しい」、「みんな悪人だが、そのままで許されている」など。
 今度はそれを「自力と他力」というキーワードを手がかりに考えてみようと思います。
 まず他力ということばの意味を確認しておかなければなりません。と言いますのは、このことばはしばしば誤った使い方をされているからです。例えば「そんな他力本願じゃダメだよ」などと言います。これは「ひと頼みではダメ、自分でやろうとしなきゃ」ということで、他力を「ひとの力に頼ること」と理解しています。でもこれは少なくとも親鸞の言う他力とは全く別ものです。
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