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3月9日(水) [矛盾について(その223)]

 世界の外部については沈黙しなければならないとしますと、「あなた」はどうなるでしょう。
 誰かがぼくの「いる」ことを肯定してくれたと感じられたとき、その人がぼくにとっての「あなた」ですが、「あなた」からの通路はあっても、「あなた」への通路は全く遮断されているのでした。としますと「あなた」は世界の外部にいるということではないでしょうか。「きみ」は世界の内部だが、「あなた」は外部だと。
 もし「あなた」がこの世界の外部にいるとしますと、呼び名が違うだけで神や仏と何も変わりません。そしてぼくはもう「あなた」について何も語ることができなくなります。それとも「あなた」はこの世界の内部にいるのでしょうか。としますと「あなた」は「きみ」と何も変わらなくなります。ぼくは「きみ」に働きかけるように「あなた」に働きかけることができることになり、これまで述べてきたことがすべて崩れます。
 さてさて困ったことになりました。「あなた」はこの世界の内部にいるのではないにもかかわらず、この世界の外部にいるとするともう全く手が届かなくなる。一体「あなた」はどこにいるのか。
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