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矛盾について(その154) ブログトップ

12月30日(木) [矛盾について(その154)]

 衣食住すべてでひとの力に頼っていますが、言うまでもなく、それらをタダで手に入れている訳ではありません。お金を払って買ったのであり、そのお金はと言いますと、働いて手に入れたのです。そして働くというのはひとの力になるということです。このように、ひとの力になることでひとの力に頼ることができます。自分の力とひとの力をお金がつないでくれることによって、持ちつ持たれつの世の中が回っているのです。
 ひとの力に頼るとは言っても、回りまわって自分の力に頼っていることが分かります。赤ちゃんはひたすらひとの力に頼っているようですが、よく見てください、必死に泣き喚いています。あるいは一生懸命笑顔を振りまいています。そうすることでお母さんの気を引いているのです。ひとの力に頼るのは結局のところ自分の力を頼ることであり、つまりは「自力」であることが明らかになります。
 そもそも「頼る」ということそのものが自分の力ですることです。自分の力に頼るにせよ、ひとの力に頼るにせよ、何かに頼るのは自分です。そして自分が何かに頼るためには、それ相応の力がなければなりません。千葉で81歳の夫が78歳の妻の首を絞め、自分の首を切って死のうとしたという事件が報道されていました。介護でこれ以上面倒をかけるわけにはいかないと心中を試みたと言うのです。息子夫婦と孫たちも同居していたというのにどうしてと思いますが、もうひとに頼ることはできないと意を決したのでしょう。ひとの力に頼るのは自分の力なのです。
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