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矛盾について(その492) ブログトップ

12月8日(木) [矛盾について(その492)]

 趣味やスポーツの世界でも組織は大切です。でも、政治や宗教の場合とはその性格が大きく異なります。
 例えば飲み会などでプロ野球の贔屓チームを巡り口げんかになることがあります。でもこのけんかは楽しいものです。チーム同士が試合を楽しむように、応援合戦を楽しむことができるのです。ところが政治の贔屓党派を巡る争いとなりますと、そうはいきません。飲み会などでこういう争いが起こりますと、口汚い罵り合いとなり、そして何よりあと味が悪い。尾を引くのです。宗教がそういう場で話題になることはまずありませんが、もしそうなったらもっとたちが悪いでしょう。もう二度と顔を見たくないということになるかもしれません。
 この違いはどこから来るのでしょう。
 プロ野球は日々が戦いですが、でも試合の勝ち負けを競っているだけで、チームの存在を巡る戦いではありません。負けが続くチームはその存続が問題になることもあるでしょうが、そのチームがなくなってしまうのは他のチームとしても試合ができなくなるのですから困った事態です。それに対して政治の党派間の争いは、結局のところはその存続を巡る戦いです。相手が消滅してしまうことが最終的な勝利とみなされる。その意味では戦争に似ています。宗教の宗派間の争い、とりわけ新興宗教同士のすさまじい競合にも同じことが言えます。ここに趣味やスポーツの争いとの違いがあり、「政治と宗教はタブー」とされる裏にはこんな事情があるようです。

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