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12月29日(水) [矛盾について(その153)]

 自力と他力。自分の力に頼るのが自力で、ひとの力に頼るのが他力だと考えるのが普通です。ぼくらはできるだけ自分でやってみようと努力しますが、自分では何ともならなくなったときひとの力を当てにします。ところが最初からひとの力を当てにして自分でやってみようとしないのを他力本願と呼ぶのです。でもちょっと反省してみればすぐ分かりますように、ぼくらが自分でできることなどたかが知れています。
 身の周りにあるものを見回して、自力で作り出したものなど何ひとつないことに気づいて愕然とします。衣食住みんなひとの作ったものを使わせてもらっているのです。としますと誰でも他力本願で生きているではないかということになります。ぼくは今のところひとの世話にならずに何とか暮らしていますが、そのうちに食べることも、歩くことも、下の世話までひとの厄介にならなければならなくなるでしょう。
 こんなふうにぼくはひとの力に頼らなくては生きていけないのですが、忘れてならないのはひともまたぼくの力に頼っているということです。そもそもぼくがひとの力に頼ることができるのは、ぼくもひとの力になっているからです。自分はひとの力にならずに、ただひとの力に頼ろうとしても、そうは問屋が卸してくれません。
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