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9月23日(木) [矛盾について(その57)]

 ぼくらは煩悩から降りることはできず、なるべく煩悩の虫どもを刺激しないようにすることができるだけと言いましたが、煩悩の虫どもを刺激しないようにするだけでなく、彼らをすっかり退治することはできないものでしょうか。
 まだ日本が貧しかった時代のことですが、子どもたちに検便をして寄生虫がいることが分かりますと、虫下しを飲んで虫どもを退治したものです。そんなふうにぼくらの中に巣くう煩悩の虫どもを何らかの方法で退治してしまえたら、どんなにかすっきりすることでしょう。それができさえすれば、この世にユートピアが出現します。もう何の憂いも悩みもない世界が現れるのです。
 しかし、残念ながらそれは不可能です。煩悩の虫どもに対する虫下しはありません。腸の中の寄生虫どもと煩悩の虫どもの違いはと言いますと、寄生虫は文字通りぼくらに寄生していろいろな悪さをするのですから、それがいなくなってくれれば好都合ですが、煩悩の虫どもは、これも確かに悪さをするのですが、これがいなくなりますと、もうぼくらは生きていけないのです。
 腸の中にはさまざまな細菌がいることはよく知られています。もちろん悪さをするものもいますが、ぼくらに役立つものもいて、それらがうまくバランスを保って健康が維持されているのです。ですから、悪さをする菌がいるからと、腸内細菌をやっつけてしまいますと、腸の活動が大きく阻害されます。
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