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9月28日(火) [矛盾について(その62)]

 長い道のりを歩いてきました。この辺で少し振り返っておきましょう。
 「煩悩即菩提」という仏教の基本テーゼを「われらは煩悩に悩まされているが、同時に菩提の境地にいる」と訳し、これは一見明らかな矛盾と思えるが、それはこの文が事実を記述しているように見えるからだと考えました。そして、もしこの文が「事実の記述」でないとすれば(つまり「意思の表明」か「感情の表出」であれば)、広い意味では矛盾であっても、直ちに「ナンセンス」とは言えないことを確認しました。そこで「われらは煩悩に悩まされている」という文について、これは何を言っているのかを検討してきたのです。
 まず「生きることはすべて苦しみである」こと、そして「苦しみの原因は煩悩にある」こと、つまり「われらは煩悩から降りることはできず、ただそれをなるべく刺激しないようにすることができるだけ」ということ、これらがこの文に含まれていることを見てきました。さて、これらはいずれも「人が生きるとはどういうことか」について客観的に事実を記述しているように見えます。そして、これらが真であるか偽であるかを事実に照らし合わせて検証することができるように思えます。
 しかしほんとうにそうか。
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