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10月15日(金) [矛盾について(その79)]

 何かが純粋に「与えられる」ときは、ある人には与えられるが、ある人には与えられないという差はありません。もしそこに差があるとしますと、ある条件を満たせば与えられ、満たさなければ与えられないということです。それは純粋な贈与ではなく、一種のギブアンドテイクです。ある条件を満たすことと、何かを与えることが交換されているのです。ちょっと身の回りを見ればすぐ分かりますように、ぼくらに何かが「与えられる」ケースは、そのほとんどが純粋の贈与ではなく、交換です。オリンピック競技で優勝すれば金メダルが与えられますが、それは優勝と金メダルが交換されているのです。
 以上、「菩提の境地にある」と感じるというのは、あるときふと「もうすでに救われている」と感じることであり、そしてそれは自分だけでなく、みんなが救われていると感じることだと述べてきました。翻って考えてみますと、「煩悩に悩まされている」と感じるというのは、その反対に「いまだ救われていない」と感じることです。そしてこれも、自分だけが救われていないのではなく、みんなが救われていないと感じるのです。としますと、「われらは煩悩に悩まされているが、同時に菩提の境地にいる」は、「われらはいまだ救われていないが、同時にもうすでに救われている」ということです。
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